42話 雪原で示す己が道
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「やられた……」
顔を顰め、ボソッと呟くジェイドにみんなの視線が集まる。彼の様子から何かが起きたのは一目瞭然だった。
「アブソーブゲートのセフィロトから、記憶粒子が逆流しています。連結した全セフィロトの力を利用して、地核を活性化させているんです!」
焦るような声にみんなの表情は一変する。それもそうだろう。多くの人の命を懸けて、地核の振動を止めた。このまま行けばそれが全て無駄になってしまう。
「兄さん!でもどうして!……記憶粒子を逆流させたら、兄さんのいるアブソーブゲートのセフィロトツリーも逆流して、ゲートのあるツフト諸島ごと崩落するわ!」
ルークの他に操作できるのはヴァンのみ。そうなるとわかっていて何故そうしたのか。その問いに答えたのは彼だった。
「いえ、今は私たちによって、各地のセフィロトの力が、アブソーブゲートに流入しています」
その余剰を使ってセフィロトを逆流させている。落ちるなら、アブソーブゲート以外の大陸だ。一同、言葉を失った。言い方を変えるなら、私たちが行ったことを利用した……と言うことか。
「冗談じゃないぞ!」
「ねぇ、地核はタルタロスで振動を中和してるんでしょ。活性化なんてしたら……」
「タルタロスが壊れますわ!」
事の大きさを理解してか、更に焦りを見せる。特にヴァンの事となるとルークの焦りようはない。わかっていても、今まで依存していたものがそう簡単に消えるわけがない。
「総長を止めに行く前に、イオン様を街で休ませるのも忘れないでね」
「……すみません……」
今にも飛び出しそうなルークに、ぷぅっと頬を膨らませるアニス。頭を下げるイオンに、体を張って助けてくれた。だからちゃんと休ませてあげよう、とガイがルークに振り向けば、ルークはイオンに謝罪する。そしてこの場を後にした。