42話 雪原で示す己が道
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「……真咲。真咲!」
頭が痛い。その痛みと呼ばれる声で意識が覚醒する。目を開けると、心配そうに私の顔を覗き込むジェイド。あいたたたっ、と頭を押さえながら上半身を起こす。その声と聞いてか先に目を覚ましていたティアが回復を施してくれた。
「私で最後ですか?」
「いえ、ルークがまだです」
少し離れたところでルークは寝ていた。傍らにはガイが腰を下ろしていた。私が起きたのを見てか、ガイがルークを起こす。呻き声を上げて起きあがるルークは辺りを見回す。
「助かったのか……?」
「俺たちのいた場所は、ちょうど真下に足場があったんだ。それでなんとか……」
無事だった。そう理解すると、ハッとする。ならば傷を負った六神将はと気にかけると、アニスは声のトーンを落として、谷に落ちちゃったみたいと。誰もが助からないだろうと察した、私以外は。そして、ティアをの方を見る。
「……大丈夫。どちらにしても、教官は倒さなければならない敵だったんだし」
それよりも見て。パッセージリングの入り口があるわ。と岩壁を見る。そこには確かにダアト式封咒が施させた扉があった。
「では、ここを解放しますね」
「イオン様、今の雪崩でお体が……」
寒さで冷え、落ちて体を打っている。元々体の弱いイオンの体力は落ちている。だから心配して止めようとするが、イオンは大丈夫。ここで最後だからと言う。申し訳なさそうにルークが頼むというと、イオンは頷いて扉の前へ立つ。
「イオン様!」
「……大丈夫。あと少しですから」
力を使い、その場に座り込む。いつものように青白い顔で大丈夫と笑う。ルークの手を借りて立ち上がるイオン。
「……わかった。行こう」
どの道ここで足を止めるわけには行かない。意を決するように、扉の中へと足を進めた。