6話 消せない傷痕
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「―だ」
「怪我をしているじゃないか!」
私が"大丈夫です"と返そうとしたら、その言葉はガイの声によって遮られてしまった。
「―痛っ!!」
腕に急な痛みが走り、声を上げてしまう。ジェイドが私の左腕を掴んだのだ。掴まれた左腕を見ると、二の腕を剣で斬られていたらしく血が流れている。自覚すると痛みが増してきた。
「ティア」
呼ばれたティアは私の傍に駆け寄ってきた。杖をかざして、治癒を施す。
「また治りきらない?……しばらくは痛むと思うわ」
最初の言葉は小声でよく聞き取れなかった。私の怪我を考慮して今日は野宿にしましょうと言うジェイドの意見に皆は賛成した。軽い夕飯をガイとティアが作ってくれた。私はあまり食べることが出来なきなかった。さっきの事もあって今はちょっと…そんな気分ではなかった。私は夕飯を食べ終えて、皆から少し離れた所で木に寄りかかっていた。
「かならず~ぼくらは、出会うだろう――」
カルマを口ずさみながら、夜空をぼーっと見上げていた。星はキレイだなぁとは思ったが、心ここに在らずって感じでいた。人の気配にふっと、視線をそちらに移すとそこにルークがいた。
「…真咲。その、ゴメンな」
少し泣きそうな顔で目線は逸らして、ルークは私に謝罪をしてきた。
「俺のせいで、怪我させて――あと…」
何て言っていいのか分からないのか、目が泳いでいた。ちょっと、不謹慎ながらもカワイイなと思ってしまう。
「ルークが気にすることじゃないよ。私が勝手にしたことだよ」
安心させるために笑ってみせる。まだ傷は痛むし、さっきのことは忘れられないけど顔には出さない。ルークが気にしてしまうから。