42話 雪原で示す己が道
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「荒ぶる風よ!我が声を聞きて、立ちはだかる敵を凪げ!」
向こうのペースに持ってかれるわけにはいかない。せめてみんなの体勢を整えさせなくては。ラルゴには大して効果がなくても、この強風なら軽いリグレットとアリエッタは体勢を崩す筈。思惑通り、リグレットはバランスを崩し、アリエッタは尻餅を着く。
「歪められし扉、今開かん――ネガティブゲート!」
「きゃあ!」
すぐさまアニスが詠唱に入り、まだ立ち上がらないアリエッタに譜術を放つ。リグレットにはジェイドが槍を突きつけるが、彼女は素早く体勢を戻し後退する。が、無傷ではなかったのか少し顔を歪める。
「くらえっ!――斬影烈昂刺っ!」
「こいつもな!――月華斬光閃!」
まだ手負いのないラルゴにルークとガイが攻撃を加える。間髪入れずに与えられる攻撃に全てを防ぎきれなかったラルゴは後方へと吹き飛ぶ。
「風に舞う白きものよ 集まりて豪雪となれ 我が前に立ちふさがりし者に、凍てつく風を!」
言葉を紡ぎ杖を振るえば、辺りに降る雪は私の周辺に集まる。その雪はこの周辺だけ吹雪となり六神将へと降り注ぐ。三人の体は雪と風で凍り付き身動きがとれなくなる。それを見たティアがオーバーリミッツを使い詠唱に入る。
「穢れなき風、我らに仇なすものを包み込ません――イノセント・シャイン!」
纏まった位置にいて、尚且つ体の動かない三人はまともにダメージを受ける。それぞれ悲鳴を上げてその場に倒れる。もう終わったと油断したときだった。轟音をあげて地面が揺れる。
「しまった!今の戦闘で雪崩が……!」
「譜歌を……!」
「駄目だ!間に合わない!」
上からの雪崩にみんな身構える。どうすることも出来ないが、条件反射と言うものだろう。雪崩に飲まれ、意識を手放そうとした瞬間。ジェイドが私の名前を呼んだ気がした。