42話 雪原で示す己が道
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「アリエッタ。むやみに動くと雪崩を招く……かまわない。奴らも我々がここで待ち伏せていることは、想定しているだろう」
ちょっと怪談話混じりな会話をしつつ、ロニール雪山を登っていくとうっすらと聞こえてくる女性の声。風に乗ってきたのか、ただの空耳か。さっきの怪談話を引きずってか、その声にルークが、なんか俺もおっかなくなかってきた。と頭を押さえる。
「……おかしい。今のは……確か……」
聞こえた声にティアは頬に手を置く。ここにいる全員に声は聞こえていた。
「――ええ。人の声です。気を付けましょう。私たち以外に誰かがいます」
「六神将ですか?」
先だっての、ワイヨン鏡窟でのやり取り。確かに彼女は言った、ロニール雪山で決着をつけると。だから、きっといるのは彼女らだろう。この先にいるのなら、気を引き締めなければならない。決着……今までとは違う、お互い後はない。命を懸けなくてはいけない。寒さではない、別のものに身震いする。
「危ないっ!」
「――っ!?」
声の方へと進めば細い山道から広い場所へと出る。警戒しながら足を進めるが、そこには誰にもいない。が、息を潜めていたリグレットが私たちの背後から姿を現し、ガイ目掛けて譜銃を放つ。その銃弾をガイは難なくかわす。
「きゃーっ!?」
リグレットに気を取られていると反対側から攻撃されたナタリアが悲鳴を上げる。振り返る私らの背後から現れたのはラルゴとアリエッタ。
「イオン様……邪魔しないで」
「アリエッタ……僕は……」
腕の中のぬいぐるみをぎゅっと抱きしめるアリエッタ。みんなに自分のことを知られた。アリエッタにも包み隠さず話さなれけばと一歩前へ出るイオンを遮るようにアニスが立つ。
「イオン様!アリエッタなんかにお話しすることないんです!」
「アニス……」
知らなくてもいいことがある。そうかもしれない。でも本当は知るべきだと、知れば騙されてるとしれるのに。今、私からはそれを伝えることは出来なく、そしてしなかった。