42話 雪原で示す己が道
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ジェイド……待ってよ……むにゃ……」
ホテルの部屋でディストは寝ていた。両手を合わせて顔の下に敷いて。何処の乙女だろうと思えるような体勢に少々引きかける。雪の降る中、ずっと外で待ってたのだからどんな馬鹿だって風邪の一つくらい引くだろう。と言うか馬鹿以外言いようがないけど。
「……大佐と夢の中で追い駆けっこしてる」
その姿と寝言にアニスの顔が思い切り引きつる。きもっ、と呟く彼女に全員が同意した。
「さて……ちょっと彼から、ロニール雪山について聞き出します。みなさんは外に出ていて下さい」
素直に聞き出すわけがないのは知っている。どう聞くかはともかく、ルークたちは頷いて部屋の方へと振り返る。
「私は残ります」
「真咲?」
その場を動かず、じっと眠るディストを見下ろす。みんなはわかんないといった風に首を傾げ、隣のジェイドはただ黙っている。
「一発くらい殴らなきゃ気が済まないもん」
ぐっと拳を握って構える。コイツには痛い目に遭わされてるから仕返しの一つくらいなきゃね。と笑うと、ジェイドの以外の全員が目を開く。私が彼に何をされたのか思い出したのだろう。
「では、真咲以外は出て行って下さい」
「……ああ」
この部屋に残されたのは私とジェイドとディスト。追い出されるかと思ったけど、ジェイドは何も言わずにいてくれた。
「あなたの手を煩わせるつもりがなかったのですが、それで気が済むなら」
「ありがとうございます」
本当は顔なんて見たくない。実験体を見る目が忘れられない。けど、やられるだけやられて、黙ってるのも嫌だ。どうせディストなら死にやしないしいいよね、思い切り殴っても。
「とりあえず、先にロニール雪山の状況を聞き出して下さい」
「ええ、では……」
私が微笑めば同じように微笑み返すジェイド。何をするのかはわからないけど、まあいいよね。