41話 空を胸の内に隠す君
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「無理です。そもそも音素は、同じ属性同士で引き合う。第七音素も同じだ。物質から乖離して、プラネットストームに戻っていく」
どれだけ指摘してもヴァンは難なく返す。そこまでしてまで今の世界を怖そうとするヴァンに怒りが募るのか、それとも別の感情か。口を開く度に声音が低くなる。が、第七音素の意識集合体であるローレライを消滅させようしているとティアが言うとヴァン以外の全員が驚愕に襲われる。
「引き合う第七音素ががないから、乖離しない……ってことか」
眉を顰めるルーク。説明の手間が省けたのかヴァンは、ふっと笑う。第七音素がなければ預言も詠めないから世界から預言が消える。引き合う物がなければレプリカも消えない。一石二鳥だと。
「兄さんはその為に、ルークを利用するつもりなのよ」
「これは出来損ないでは無理だ。アッシュでなければな」
ルークの後ろのアッシュに目を向けるけどアッシュは何も答えない。アッシュがそんな簡単に手を貸すことはないとわかっているはずなのに。
「総長閣下。資料の積み込みが完了しました」
沈黙が流れたところにやってきた神託の盾兵。その報告に頷く。
「私にはおまえが必要だ。アブソーブゲートでおまえを待つ」
神託の盾兵とともに去ろうとするヴァンをティアが呼び止める。ヴァンは立ち止まるがティアのほうには振り返らない。
「……おまえとは、戦いたくはなかった。残念だよ。メシュティアリカ」
今度こそ去るのかと思ったのに、肩越しに私の方を見る。何の感情のない瞳が、こちらを見ていた。
「おまえにもそのつもりがあるなら待っているぞ、真咲」
心臓を鷲掴みにされたように息を飲んだ。飲んだ息を吐くことを忘れるくらい、今の言葉に恐怖を覚えた。まさかと思いたい。でもヴァンだと思うと思い切れなくて。彼は……私の力がだいぶ戻っていることを知っている?