41話 空を胸の内に隠す君
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「兄さん、やめて!」
一番奥へと進むと聞こえてくる声。ヴァンへと斬りかかったアッシュが容赦なく返り討ちにあっていた。
「兄さん!このまま続ければ、兄さんの体だって瘴気でボロボロになってしまうのよ!」
「それは些細なことだ。私は人類がユリアの預言から解放され、生き残る道筋がつくならそれでいい」
ティアは自分の身に起きたことでヴァンの身にも同じ症状が起きていると気付いた。だから単身でもと彼に会いに来たんだ。
「師匠たちは、こんなところで何を……」
廃棄されたはずの場所から荷物を持ち出す。その意味を問う。それに答えたのはヴァンではなくアッシュ。平和締結がなされたことでベルケンドの研究所でもう研究はできない。彼らはベルケンドを放棄して、新たなフォミクリーの研究所にいどうするつもりだと。
「師匠!どうしてレプリカ世界にこだわるんだ」
「フォミクリーは、大量の第七音素を消費する」
この星全体をレプリカ化するには世界中の第七音素をかき集めても足りないとジェイドがレプリカ世界を作るのは無理だと首を振る。
「こいつは地核の膨大な第七音素を、ローレライを利用するつもりなんだ」
「地核の振動が激しくなれば、プラットフォームが強まり、第七音素の供給量も増す」
おまえちたが止めてしまったがな。そう言う割に全く焦った様子も残念そうな様子もない。
「フォミクリーは不完全です。しくじれば、すぐ消滅するようなレプリカが誕生する」
考案者だからその欠点を熟知している。が、ヴァンは笑みを絶やさない。すぐに消えるのは第七音素がレプリカから乖離してしまうことで起きる現象。ならば乖離を止めればレプリカは消えない。無駄がない。この計画を遂行するためにどれだけ調べ上げたのだか。