41話 空を胸の内に隠す君
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「さすがはバルフォア博士じゃ。あれなら上手くいくかもしれん」
暑いザレッホ火山からその足でベルケンドへやって来た。そして第一音機関研究所のスピノザに会いに行った。結果の書かれていると見られる紙の束をジェイドへと手渡す。
「ってことは、瘴気は中和できるんだな!」
「いえ、中和ではなく隔離するんです」
瘴気がなくなれば何の問題がない。嬉しそうに声を上げるルーク。けどジェイドは首を振って否定する。中和ではなく隔離。その意味がわからなく私とスピノザ以外の全員が首を傾げる。どういうことだとガイが問う。
「外殻大地と魔界の間には、ディバイディングラインという力場が存在します」
そうですね、ティア。と彼女を見る。いきなり話を振られたティアは戸惑いながらも頷く。そして、セフィロトツリーによる浮力の発生地帯で、外殻大地はその浮力で浮いていると説明する。それに付け加えるようにスピノザがディバイディングラインの浮力が、星の引力との均衡を生んで浮いていると続ける。
「外殻大地が降下するということは、引力との均衡が崩れるということ」
降下が始まると、ディバイディングラインは下方向へ圧力を生む。それが膜となって瘴気を覆い、大地の下――つまり地核へと押し戻します。長いけど丁寧な説明をするジェイド。言葉で聞くと難しい、と思うのは私だけかな。
「でもそれだと瘴気は消えないよな。また発生しないのか?」
「瘴気が地核で発生しているなら、魔界に瘴気があふれるのはセフィロトが開いているからです。外殻の降下後、パッセージリングを全停止すれば……」
セフィロトが閉じて、瘴気が出てこなくなる。ルークの疑問に答えたジェイドの言葉をガイが引き継ぐとそうだと言わんばかりに頷く。今は地核の振動も停止しているから液状化した大地は固まり始めている。これなら大陸は飲み込まれないとナタリアも声を上げる。