41話 空を胸の内に隠す君
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「体は大丈夫か?」
「……ええ。薬が効いているから平気よ。それより操作盤を」
先日のことがあるからか、ルークが体の調子を問う。でも頑張り屋ののティアのことだからけして弱音を吐かないはず。案の定、弱音を吐くことはなかった。ただ薬が効いているからと言う言葉にはルークも私たちも眉を顰めてしまう。
「うん、わかってる」
何を言っても彼女は聞かないだろう。ならば自分は自分のやるべき事をやるだけ。前へと出たルークは両手を挙げ超振動を発動させる。丁寧にゆっくりと確実に、他のセフィロトと同じように文字を刻んでいく。
「終わったよ」
作業を終え戻ってきたルークの額には汗が滲んでいた。一人であれだけの作業をしなければならないんだからそうかもしれない。お疲れ様って声を掛けると、うんと笑って返してくれるルーク。
「次はロニール雪山か?」
「そうですが、その前に一度ベルケンドに戻って、スピノザに頼んだ検証を確認しましょう。それ如何で、瘴気の処理について答えが出せます」
検証の結果によっては、今後、瘴気をどうするのかも決められる。何をするか何をしようというのかは既に頭の中にあるのだろうけど。知っているとは言え、その頭の回転の良さには関心以上についていけない。こうやって作業をしながら次を考えているのだから。
「そ、そうだね。早くここを離れよ~う!」
片手を挙げてわざとらしく言うと、パタパタと足音を立てて来た道を戻っていく。
「やれやれ。アニスは最後まで挙動不審でしたね……一ヶ所を除いて」
「それは私のことですかぁ?」
余計な一言を言うジェイド。ムカついたのでわざとアニスっぽく返したら、黙られた。甘えて欲しいとか言う人がそう言うことをするからいけないんだよ、うん。