41話 空を胸の内に隠す君
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「やっぱり、遺跡の中でも暑いわね」
火山の中を歩くだけでも汗を掻き、体力は削られる。その状態でイオンはダアト式封咒を解除したんだから倒れても仕方ないかも。そんなイオンの様子を気にするルーク。はい、と返事するイオンの顔色は相変わらず悪くて汗を掻いている様子から熱気に当てられてるのはわかる。
「えっとえっと。こんな――」
「ぎゃっ!」
暑さに気を取られて歩いていると全力で躓いた。足がもつれて前へと倒れ込み、そのまま手を伸ばして何かを掴む。ドンッと何かにぶつかった。鼻を打って、痛たたっと押さえる。
「おや?昼間から大胆ですぇ」
「……はひ?」
顔を上げると目の前にはジェイド。肩越しに振り返ってこちらを見ていた。数回瞬きをして何が起きたのか考える。まず躓いて前へと倒れる。手を伸ばした何かはジェイドの軍服でぶつかったのはジェイドの背中。
「ひ、ひゃい?」
まだ鼻を押さえる私の手を取って自分の腕の中に収める。突然のことで頭のパニクる私。ボンッと音が出るくらい一気に体中が熱くなり、周りに目を向ければルークとティア、ナタリアも顔が赤い。
「な、何をするんですか!?」
「あなたから抱きついてきたのでしょう?」
抱きついてません!と怒鳴り返せば、あはははっと笑うし。転んだだけ!転んだだけです!離して下さい!と腕の中で暴れても離してはくれない。二人きりならばともかくみんなの前でなんて、恥ずかしいやら何やら。
「おや?アニスのためにわざとと言うわけではなかったのですね?」
「は、はい?」
そういえば何かを言い掛けていたような。その前に転んだから聞き取れなかった。え、まさか図書室の時みたいに私が庇ったと思われてた?ああ、また怪しい行動をしようとしたんだったっけ。
「……あははは」
なんていいタイミングだと空笑いすると頭上から溜息が返ってきた。