6話 消せない傷痕
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「……力の名前、ですか」
譜術ではない力。私には分からないが、私の力には音素は含まれていないと言う。正直、自分でもなんで使えるのか分かってないのに力の名前なんて聞かれても。まぁ強いて言うなら、
「魔法とか魔術…とか?」
私の世界でそういった力はないけど、物語とかではそう呼んでいるということも話した。そもそも私の世界には"譜術"が存在しないし。
「では、魔術と呼びましょう」
譜術と魔術、呼称が似ているからと言う理由で決まった。確かに魔法だとなんか違う感じがしたからなぁ。ジェイドは私の話が終わると、再びガイのほうを向いた。
「ファブレ公爵の使用人ならキムラスカ人ですね。ルークを捜しに来たのですか?」
「ああ、旦那様から命じられてな。マルクト領土に消えたのは分かっていたから、俺は陸伝いにケセドニアから、グランツ閣下は海伝いにカイツールから捜していたんだ」
ガイがルーク捜索の経緯を話すと、ルークの表情がぱぁっと明るくなった。理由は、まぁ分かるけどね。
「ヴァン師匠も捜してくれているのか?」
それはもう、嬉しそうに。その脇でティアが「兄さん」と険しい顔で呟く。
「兄さん?そういや、グランツって――」
「やれやれ、ゆっくりと話している暇はなくたったようです」
ガイの言葉の途中にジェイドがポケットから手を出し槍を召喚しながら割り込む。私達が来た方向から複数人のオラクル兵が現れ、剣を抜いて有無を言わせず、襲い掛かって来た。
「に、人間―」
「ルーク下がって!あなたじゃ、人は斬れないでしょ!!」
先程、人を殺してしまったことから、人間に怯えるルークにティアは下がるように言う。私は反射的に杖を右手に召喚する。