41話 空を胸の内に隠す君
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「ここは……何かの研究をしてるみたいだな」
譜陣でワープした先はザレッホ火山。そこには人がいて何かをしていた痕跡があった。一度二度ではなく年月を掛けて使われていた場所。イオンも知らない所で何をしていたのか。場所を知っていたことからモースだろうと推測する。
「そんなことより、パッセージリングはどこなんでしょう!」
この場所も十分怪しいというのに、この場所のことよりパッセージリングは何処だと完全棒読みで声を上げる。
「……アニス。あまり怪しすぎると、突っ込んで話を聞きたくなりますよ」
辺りを見回すみんなに早くここから移動するように促すアニス。ちょっと行き過ぎだした言動にジェイドが脅しを掛ける。相手がジェイドだからか突っ込まれても困るからか、小さく呻いて身を縮める。ともかく奥へ行ってみようと先へと足を進める。
「じゃあ、イオン。ここを頼むよ」
いくつかの仕掛けを解いて奥までやってくると見えてきたのはダアト式風咒を施された扉。いつものようにイオンに解咒をお願いする。頷いたイオンが扉の前に立ち扉を解咒する。
「イオン様、扉を解放する度に倒れますよね」
「すみません」
体力が劣化しているイオンではこの扉を開くだけで相当の体力を消費してしまう。青白い顔で謝罪をする。レプリカのイオンが体が弱いのは知ってはいるけど、立つのもやっとになる程ともなると心配にはなる。でも彼に頼らなければ先に進めない。謝るルークにイオンは役に立てて嬉しいと微笑む。
「どうかしましたか?」
自分でどんな顔をしていたのかわからない。けど私の顔をのぞき込んできたジェイドの眉は寄っていて、ああ心配掛けてるのかなと理解した。
「……ただ、歯痒いなって」
まだ幼い二人に何もしてあげられない。こうなることをわかっていながら何も出来ない自分に、少しばかりの苛立ちを感じた。