41話 空を胸の内に隠す君
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「よし、行ってみようぜ」
扉を開けて中へと入って行くみんな。私も入ろうとすれば誰かが肩に手を置いた。
「あなたも人が良すぎますね」
小さく微笑んだジェイドはそれだけ言って扉の中へと入っていく。ここに残っているのは私とイオンだけ。
「真咲……すみません……」
申し訳なさそうに目を閉じたイオン。苦笑を浮かべて彼もみんなの後を追った。謝罪の意味。それについて今は追求しては駄目なんだろうな。いずれわかることだし、私自身は察しも付いてるけど。
「あ、この譜陣に入ったらいけるんじゃないですか?」
今度こそはと思ったのか、少し棒読みっぽく部屋の中心の譜陣を指す。さすがにここはフォローは出来ない。どの道この部屋にはその譜陣しかないんだけど。
「アニス、ちょっと」
「な、なんですかぁ、大佐」
さっきは黙っていたジェイドが笑顔でアニスを呼ぶ。ただよく見れば目は笑っていない。図書室からの挙動不審の態度を見てるから不審には思ってるだろうけど。
「あなたはここを知っていましたね?」
「本当ですか?」
ジェイドの言葉にアニスは一瞬目を見開き反応する。知っていたのではと聞き、イオンもアニスの方を向く。私やルークも彼女の方を向いて見ると、グッと拳を握る。
「知りません!全然知りません!それより行きましょう!ほら!早く早く!」
ムキになりすぎるくらい力一杯否定をしたアニスは譜陣の中央に立って一人先に行ってしまう。あからさますぎる彼女の態度に皆、訝しげな表情を浮かべる。
「嘘くせー……」
「……まあいいでしょう」
あれだけ必死に否定をすればそう見られるだろう。アニス自身もわかってるはずなのに。
「……ジェイドさん。いじめっ子みたいです」
「放って置くわけにもいかいでしょう?」
みんなが先に行ったのを確認して溜息混じりに言えばそう返された。まあそうなんだけど。些かな不安を抱えて私も譜陣の上に乗った。