41話 空を胸の内に隠す君
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「モース!」
みんなの後を追って教会の中に入ると、前方から歩いてくるその姿にルークが声を上げる。
「導師イオン。お戻りですか」
「セフィロトを探しに来ました」
ことごとく邪魔をして回る私らをふんっと睨む。セフィロトという言葉に……ああと返事をしユリアシティから報告を受けていると。
「パッセージリングはあの扉の先にありますぞ。一本道ですから迷うこうはありますまい」
上の渡り廊下を指さし、用は済んだと言わんばかりに歩き出そうとするモースをルークが呼び止める。足を止めたモースにヴァンはどうしたか問う。少し顔を歪め、監視者としての職務を放棄して、六神将と共に行方をくらましたと答えた。更にティアが神託の盾の姿もあまり見かけませんがと訪ねれば怒りを露わにモース。
「半数以上がヴァンの元に走りおった。ええい、忌々しい!おかげで、こちらは神託の盾騎士団の再編成で大忙しだ」
溜まっていたうっぷんを晴らすように私たちを怒鳴りつける。元々ヴァンはそのつもりだったんだろうけど、モースとしては誤算だったのだろう。再び歩き出そうとしたがすぐにまた足を止めて振り返る。
「そうそう。パッセージリングへ続く部屋は、侵入者避けに隠し通路の奥になっておる。せいぜい気張って探せよ」
今度こそいなくなったモースにナタリアが感じの悪い!と腰に手を当てる。せっかく預言通りに戦争を起こしたのに崩落騒ぎで中断し、その後平和条約が締結され簡単には戦争を起こせなくなった。思い通りに行かなくなって機嫌が悪い。
「邪魔されないだけマシだよぅ」
「ええ。彼は預言を遵守したいだけです」
大陸を崩落させてレプリカ世界を作ろうとするヴァンとは目指す物が違う。だから邪魔をする理由がないとイオン。
「でも協力的とは言えませんね」
「だな」
問題の隠し通路を教えてくれないのはささやかな腹いせか。ヴァン同様に邪魔をしたのは確かなのだし。