41話 空を胸の内に隠す君
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「また思い出したのですか?」
「また?」
口ごもる私に苦笑を浮かべるジェイド。ガイは何のことだ?と首を傾げる。それに対して私は、言葉を発せず無言の肯定をする。
「忘れましたか?真咲がここで何をされたのかを」
「……あっ!」
ここで捕まり地下へと連れてかれ実験されて……思い出すだけで右目が痛くなる。ジェイドの言葉にガイがハッとする。
「……忘れようにも、簡単には忘れられないね」
大丈夫。大丈夫。とダアトに入る前に何度も、呪文のように唱えた。けど階段を一段ずつ上る度に凍り付くように足は固まり動かなくなる。最終的には立ち止まっちゃったみたいだけど。
「でも、もう一人じゃないですし」
あの時のような孤独感はない。一人で冷たい床の上でただひたすら痛みに耐えられたことを思えば、ここに立つことなんて怖くない。
「とりあえず……いつかディストをぶん殴ります!」
「ぶんって…」
「はははっ。真咲らしくていいではありませんか」
グッと拳を握って構える。そう遠くないうちにディストとは顔を……顔を合わすというか、まあ会うことになる。その時に少しくらい仕返ししたって罰は当たらない、と思う。
「ディストならいくら殴っても構いませんよ。どうせ死にやしません」
あれだけの爆発に巻き込まれても次会うときはピンピンしてるんだから、私が殴ったぐらいじゃ死ぬわけがないよね。どうせだから杖で殴ろうかな。自分の手だと痛いし。
「はい!」
「よし、行くか」
ルークたちは先に教会へと入っている。あまり遅いとアニスに文句言われる。ガイも一緒だからジェイドとのことでからかわれることはないと思うけど。残り数段の階段を上り私たちも教会の中へと足を踏み入れた。