40話 裏切りの果てに残ったもの
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「……確かにわしは二度もヘンケンたちを裏切った。二人が止めるのを無視して、禁忌を手を出し、その上二人をヴァンに売った……」
もう取り返しがつかない。自分の研究は仲間を殺してまでやる価値があったのかと気付いた、と神妙な面もちで語るように心境を口にする。どう口を開いていいのか、重い空気が流れる。
「……俺、この人の言ってること、信じられると思う」
ジッとスピノザを見つめて、口を開いたのはルーク。みんなの視線がルークへと集まる。
「俺、アクゼリュスを消滅させたこと、認めるのが辛かった。認めたら今度は何かしなくちゃ、償わなくちゃって……この人はこの時の俺なんだよ」
同情や哀れみじゃなく、過去の自身の姿を重ねたルークの言葉は重かった。再び沈黙が訪れるくらい。こうして見ると本当にルークは成長した。ちゃんと周りが見えてる、過去を過去にするのではなく、その経験を生かしている。
「もしもあなたの決心が本当なら、あなたにやってもらいたいことがあります」
ずっと控えていたジェイドが一歩前へと出る。いきなりのその言葉に、なんじゃ?と目を丸くする。まさか自分が何かを頼まれると思ってなかったのだろう。
「瘴気の中和、いえ、隔離の為の研究です。これにはあなたが専門にしている物理学が必要になる」
「大佐!こんな奴信じるの!?」
メジオラ高原で言っていた『味方にすれば瘴気問題に役立つ』はこの事。わかっているけど、シェリダンでの一件はみんなの脳裏に焼き付いて離れない。裏切られたせいでイエモンさんたちは帰らぬ人になった。本当のことを話したら、アニスは私のことも責めるかな。知っていて、助けようとしたのに助けられなかった。私は……役に立てなかった。