40話 裏切りの果てに残ったもの
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「いたわ!」
私たちが街に入るとすぐにスピノザの姿があった。やはり老人、最初の逃げ足は速かったけど長くは持たないようだ。
「行くぞ!あいつを威嚇しろっ!」
「は、はいですの~!」
ミュウを鷲掴みして思い切り投げるルーク。投げられたミュウはスピノザの前で着地して炎を吐く。その炎に驚いたスピノザは後ろに仰け反りながらもそのまま逃げようとする。
「おーっと、あんたには色々聞きたいことがあるんだ。大人しくしてもらおうか」
けどガイによって取り押さえられる。観念したのか抵抗する様子はない。そのまま知事の屋敷へと移動することになった。がっちりガイに取り押さえられ、その隣にはジェイド。ガタガタ震えるその姿は何とも哀れ。自業自得と言えばそれまでなんだけど。
「わしらの話を立ち聞きして、どうするつもりだったんじゃ!!」
「またヴァン師匠たちに、密告するつもりか!?」
アストンさんとルークに詰め寄られたスピノザは小さな声で、ち……違うと。臆病だから強い者につく。でも罪悪感はまとわりつく。本末転倒と言うべきか。今後のことを知る私としては何とも言えないけど。
「まあ、待って下さい。相手を怯えさせるだけでは何もわかりませんよ」
あなたは何をしに、メジオラ高原に来たのですか?優しく問うイオン。俯いていた顔を上げ、アストンさんのほうへと向ける。すれば彼は今回犠牲になったイエモンさんやシェリダンの人たちの墓参りに行ったら、アストンさんがメジオラ高原に行くと聞いて謝ろうと思ったらしい。
「なら逃げることはないじゃろが!」
「こ、怖かったんじゃ!いざとなると何を言っていいのか……それで……」
本人を目の前にしてどうしたらいいのかわからなくなると言うのはわからなくもない。けど、アンタがチクったから総長にバレたんじゃん!とアニスに責められビクッと肩を震わす。