40話 裏切りの果てに残ったもの
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「アストンさん!スピノザは!?」
「空を見ろ!」
しばらく追いかけていると立ち止まって空を見上げるアストンさんがいた。アルビオールに似た機体が私たちの頭上を飛んでいく。
「あれはわしの三号機じゃ……」
「また逃げられてしまいましたわ!」
完全に逃げられてしまう前に二号機で追跡しよう、燃料も試験飛行用しか積んでいないからすぐに墜落するとアストンさん。
「スピノザは物理学の第一人者です。味方にすれば、瘴気問題で役に立ってくれるでしょう」
「わかった!アルビオールで追跡だ!」
急いで高原の入り口に止めてあるアルビオールへと戻る。すぐにノエルに事の経緯を説明し、三号機を追ってもらうことに。こちらが追ってきているのがわかっているからか、近くに着陸しようとはしない。その内に段々と様子がおかしくなったのかノエルが声を上げる。
「どうしたんだ?」
「白煙をあげて……あ!」
白く煙を上げた三号機の高度は段々と落ちていき終いには墜落してしまった。ドォーンっと大きな音を立てて地に落ちた三号機。
「生きてるかなぁ」
「三号機は頑丈じゃ。墜落による衝撃で人体に影響は出ないわい」
「この辺りの魔物はお年寄りには厳しい。街に逃げ込む筈です」
向こうとしては街の近くに墜落したのは幸運だっただろう。とは言えこちらはアルビオールという足がある。街に逃げ込んでもすぐに追いつけるだろう。
「厄介なお爺さんだこと。ベルケンドまで来ちゃうんだから」
「さっさと捕まえちゃおうよぉ!」
元々ベルケンドへ向かう筈だったとは言え随分飛んだものだ。結局逃げられないのはわかっているけど、追わないわけには行かない。街の前へアルビオールを着けてもらい街の中へと駆け込む。