40話 裏切りの果てに残ったもの
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「別に何の仕事してたっていいじゃん。そう言うの好きなんだもん」
ぷいっとそっぽを向いて一人先を歩き出す。いくら温厚な私でも怒るよ。カツンというよりガツンと音を立てて歩けば、後ろから、ヤバッと言う声がする。
「でも真咲って器用だからいいんじゃないか?」
後ろから次に聞こえた言葉に振り返る。微妙な空気の中、一人笑顔の少年。いつもならオロオロしてそうなのに。
「ああもう!ルーク可愛い!」
「ぬわぁぁっ!」
言ってから照れたように少し顔を赤くしたルークに抱きつくと言うよりは飛びつく。これはもう本能ってやつで、頭で考えるより先に体が動いちゃって。思いっきり抱きついたから思わず仰け反りそうになるルーク。
「ほんと、ルークは素直でよい子だね」
「わわわわかったから、離れろよ!じ、ジェイドが!お、俺は悪くぬぇーっ!」
何が言いたいのかわかってるけどある意味腹いせだし、私だって怒るんですよ!と知らしめたいだけ。あんなこと言われて喜ぶ私じゃない……童顔を言われ続けると若く見られるのは嬉しくないのよ!!
「ルークを使うとは、あなたも悪い人ですねぇ」
怒るに怒れません。とようやくルークを解放した私の横に付くジェイド。これがガイだったらどうなってたか……まあ絶対にやらないけど。
「人の嫌がることをするからです。でもルークが可愛いのは本当です」
本人は嫌がるけどね。たまたまルークが声を掛けて本当に可愛すぎたから抱き付いた。ジェイドがいい気がしないってのは自惚れながらもわかってた。ちょっとルークを利用させてもらっちゃった。
「では後程、うんと優しくしてあげますよ」
「……謹んでお断り申し上げます」
自分が原因のくせに上から圧を掛けるなんて。これ以上、機嫌を損ねると何をされるのかわからない。逃げに徹しなきゃ。こ、これで恋人関係って言えるの?