40話 裏切りの果てに残ったもの
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「イオン様、しっかりして下さい」
探索を進め、奥の方でダアト式封咒を施された扉を見つける。イオンに扉の解咒をしてもらうと同時に膝を着く。慌ててアニスが駆け寄る。被験者と能力は変わらないが、体力だけが劣化していると。病気、ではなく劣化。
「妙な気分です……私が始めた研究が、こんな形で広がってしまうとは」
アニスの手を借りて立ち上がるイオンを見て、自身の眼鏡のブリッジに手を置くジェイド。消すことの出来ない過去を思い出してか、手の隙間から見える表情は苦悩に満ちていた。
「……アッシュは怒ってると思うけど、俺、マジ感謝してる。ジェイドがフォミクリーを考えてくれなきゃ、俺は生まれてねえーから」
ホントは生まれちゃ駄目なんだろうけど。と自嘲気味に笑みを浮かべると、真っ先にティアがそういうことを言わないでと怒る。それにガイが卑屈反対と続け、ミュウまでも反対ですの!と賛同する。ミュウにまで咎められるとは思ってなかったのか、素直に悪かったと謝るルーク。
「んじゃ、行こうか」
イオンが体力を使ってまで開けてくれた扉。そしてのんびりもしてられない。先に進む私たち……なんだけど。中に入ってすぐにそれは起こった。
「はぁ~ん。こんなところにこんな音機関があるとはな!」
広い部屋にある音機関の山。その目はもうそれしか見えていないようだ。もう呆れるしかないようなそうでもないような。あちらこちらと走り回るガイに全員が苦笑を浮かべていた。
「やっぱ、創世歴時代の音機関は出来がいいなぁ」
ヤバいってくらい目がウットリしているガイ。彼の音機関好きは周知のものだけど、ここはシェリダン以上の宝の山だったみたい。放っておけばここに住み着くかも。