40話 裏切りの果てに残ったもの
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大切なものは
失って初めて知る…
如何に近くにあって
当たり前なものか
知るのはいつも失った後
「前にここに来た時は、おっかねぇ魔物がいたっけな」
メジオラ高原に辿り着いた私たち。前回のことを思い出してか、辺りを見回すルーク。あんな魔物があちらこちらにいたらたまったもんじゃないよね。
「パッセージリングはどの辺りに取り付けてあるのでしょうか」
「今までと同じように、ダアト式封咒の扉があるはずです」
探しましょう。と言うイオンに頷き歩き出す。前とは違うルートを進み始める。ルーチェのおかげかローレライのおかげか体は軽くて先日まで死にそうだったのが嘘のようだ。
「真咲。体の調子は?」
「すこぶる快調です」
医者のお墨付きの診断書を確認してるけどやはり本人に状態を確認するのが一番みたい。私自身、シュウの話と診断書だけで十分で、それだけで体が軽くなった気がした。まあ、ジェイドの場合無駄に心配性なんだよね……私に関して。
「おや?顔が赤いですよ」
「少し暑いんです」
自分が特別だと思ってしまうと、正直まだ照れる。だって未だ夢みたいで変な感じがして、でも楽しくて。もうそう言う年でもないのに。
「大丈夫のようですね」
珍しく気の緩んだような、安堵したような笑みを浮かべる。体のことかなと思い、大丈夫ですよ。と返すとそうじゃありません、と逆に返された。
「シンクのことです」
みんなの視線も気にせず自分のエゴを押し付けた。けどシンクには重荷だったのかもと少しは落ち込んだ。
「……わかっていたことですから」
そんな簡単に揺らぐならシンクだって世界を滅ぼそうなんて考えない。絶望しか望まない人に言葉が届くには説得力が全く足りない。だから、大丈夫ですと笑って返し、歩き出す。