39話 君の言葉の意味を知る
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「……そうだね。いつもルークとアニスを泣かせてばかりだね」
「お、俺は泣いてねーよ」
頬から私の手を退かしてそっぽ向く。そうだっけ?と聞けば、そうだよ!と顔を真っ赤にして返す。
「みんながね。みんながいるから痛いのくらい耐えられるんだよ」
一人だったら絶対に大泣きしてるし、痛みや寂しさに耐えられなくてさっさと死にたいとか思っちゃうだろうし。生きること一時は諦めた。いつ死ぬかもわからないのなら、って。でもそれは誰でも一緒で、この世界に来た意味も知らずに死にたくはなかった。それに……愛する人も出来た。
「ルークたちに出会わなかったら私は一人だったよ」
「俺もみんなや真咲がいたからここまでこれたんだ」
あの日、チーグルの森でジェイドに助けてもらってなかったらその時点で私の人生は終わってた。この縁は何かある。縁は縁を呼ぶ、どこかでそんな事を聞いた気がする。
「ああ、もう!ルーク可愛いっ!」
「うわぁっ!?だ、抱きつくなよ!」
ジェイドに殺される!と本気でジタバタするルーク。自分より一回り……実年齢なら二回りも違う子供に嫉妬はみっともないと思うけど。
「けど……本当によかったな」
「うん?」
結局引き剥がされちゃった。ぷぅ、と子供見たく頬を膨らませてると唐突に切り出すルーク。何がだろうと首を傾げる。
「だってもう乖離しないんだろ?消えないんだろ?」
最後に小さな声で、死なないんだろ?と問う。それには、絶対に死なないよ。と笑って返す。そうだ、死なないんだ。
「……そういうことだったんだ」
まだ人並みとは言えないけど、乖離して死ぬ心配はなくなった。乖離しない。消えない。そればかりが頭にあってわかってなかったんだ。ルークがいきなりどうしたんだ?と目をぱちぱちさせたけど、何でもないよ行こう。と手を取って再び医務室へと向かう。