39話 君の言葉の意味を知る
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「何してるんだ?」
何かないか、暇つぶし程度に本棚の本を漁っていると後ろから声を掛けられる。部屋の入り口辺りにいたのは、ティアの側にいたはずのルーク。
「ルークこそティアの側にいたんじゃなかったの?」
逆に問い返せばルークは顔を真っ赤にして、あ、いや、その……とどもる。何で知ってるんだとツッコまれるかと思ったけど、その余裕はないようだ。ほんとに撫で回したいくらい可愛いな。
「……アイツ、降下作業……続けるって」
ポツリと話し始めるルーク。泣いてるのかと思って側に寄り、俯いた顔に手を添えてみる。涙は出てないけど、今にも泣きそうだ。
「辛いくせに、本当は苦しくて怖くて仕方ないくせに……それを口にしないんだ」
「ティアは強いけど、凄く弱い子だもんね」
いつも誰よりも冷静でいようとしてる。でもそれは怖いのを泣きたいのを必死に隠したいからかもしれない。今の世界の状況を作り出したのは彼女の実の兄。自らのエゴのために多くの人を殺そうとしてるけど、それでも大好きなお兄ちゃんだから辛い。
「ティアは……ううん、ティアも真っ直ぐだから、我慢しちゃうんだね」
「真咲みたいにか?」
添えた手で顔を上げてあげると子犬のように目を丸くする彼の言葉に私まで目を丸くした。そこに私の名前が出るとは思わなかったから。
「だって……何度も何度も怖くて死にそうになってるのに、大丈夫って笑うだろ?俺らを心配させないために我慢してるじゃねーか」
俺には出来ないよ。悲しそうに笑みを浮かべるルークに少しだけ、目尻が熱くなる。君の方がもっと辛い運命を背負ってるのに、今は知らなくても。悲しいくらい優しい子。