39話 君の言葉の意味を知る
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「どうにかできないのか!俺だって降下作業で第七音素を使ってるけど、ピンピンしてるぜ」
「ですから、量が桁違いなんです。通常の七音譜術士が一生に消費する量の百倍以上だ」
どちらかをなんて選べない。一人の命と多くの命。大切な仲間と名も知らぬ人々。当たるかのようにルークが声を荒げると温厚そうなシュウも少し苛立ったように返す。医師として死ぬかもしれないとわかっていて放って置くことも出来ないのだろう。
「……もう少し、詳しいお話を聞けませんか」
「私も訊ねたいことがあります。ここで解散しましょう」
ジェイド、イオン、シュウを残し私たちは部屋を出た。けどルークは余程ティアが心配だったのか再び中へと入っていった。特に行く場所のない私は前にヴァンがいた部屋へと足を向けた。正直、ヴァンのことなんか思い出したくない。イエモンさんやタマラさんたちを助けられなかった。肝心なときに私は役に立たない。
「……私はなんのためにいるんだろう」
シェリダンでも途中からルーチェに意識を持って行かれてしまいその記憶はない。どうやって彼女が私の体を使ったのかわからないけど、死して尚それだけの力を持ってるんだ。
「……困ったな」
何が?頭ではわかってるけど、心は認めたくない。事の詳細を聞いてから頭に過ぎるそれ。ルーチェが私の体を使えるなら彼女が私の代わりに戦えばいいのでは?
「馬鹿馬鹿しい」
そんな考え。もし出来るならルーチェはとっくにそうしていたはず。そうできない何かがあるんだろうけど。ルーチェのように博識なわけではないから理由がわからない。
「時間があったら調べてみたいな……」
タタル渓谷にあるルーチェの研究室。あそこにある大量の資料ならどこかに記述された物があるかもしれない。あくまでかもなんだけど。可能性は無きにしも非ず。少し頭に入れておこうかな。