39話 君の言葉の意味を知る
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「お待たせしました。どうぞ」
部屋の前で話していると中からシュウが出てくる。彼が出てきたということはティアの検査が終わったということ。話は中でと促され部屋の中へと入る。
「……ティアはどうですか?」
入るや否や話を切りだしたのはルーク。一人まだ姿を見せないのもそうだけど、ティアが心配で仕方ないんだ。
「まだ、全ての結果が出た訳ではありませんが……ティアさんの血中音素は、非常に不安定な値を示しています」
神妙な面持ちで説明するシュウ。非常に不安定な値……という言葉にルーク以外のみんなの表情が少し歪む。一人わからないルークは血中音素?と聞き返す。それにシュウが譜術を使う人は体内に音素を取り込むのだが、ティアの場合は取り込んだ音素が汚染されていて、上手く体外に放出できていない。と更に説明する。
「音素が汚染されてるって、どういうことですか?」
「今、全世界で噴出してる毒素……瘴気ですか?とにかくそれと結合してます。蓄積してるのは、主に第七音素です」
「瘴気に汚染させた第七音素を取り込んでるのですね?」
ナタリアの言葉に頷くシュウ。ティアは大量に体内に第七音素ごと瘴気を取り込み蓄積させ、そのせいで内臓器官を弱めている。外殻大地降下作戦で必要不可欠なパッセージリングはティアでなければ反応しない。創世暦時代の音機関には大量の第七音素を含んでいるという。パッセージリングを起動させる度にティアは瘴気を含んだ第七音素を取り込んでしまっているという事。
「つまり降下作業を行うと、パッセージリングからティアに瘴気が流れ込む?」
「それ以外考えられません。このまま降下作業を続ければ、命の保証はしかねます」
まるで死期を宣告されたようにみんなの顔色は一気に悪くなる。ナタリアは少し目を潤ませ口元を手で覆う。アニスも俯いてしまった。外殻大地はこのままにしておけない。でも続ければティアの命の灯火は徐々に消えていく。なんて残酷な話なのだろう。