6話 消せない傷痕
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まだ私は穢れていない
そう思っていた
でも私のもその時が
来てしまった……
道中、イオンが膝をつく。ダアト式譜術を使ったため、体が疲労しているのだ。今後のことも考えるのにちょうどいいと、少し休憩を取ることになった。
「――戦争を回避するための使者ってわけか。でもなんだってモースは戦争を起こしたがってるんだ?」
ジェイドが粗方の経緯を説明すると、ガイが口を開いた。
「それはローレライ教団の機密事項に属します。お話できません」
申し訳なさそうに目を伏せるイオン。まさか、預言のためとも言えないし。
「なんだよ、けちくせぇ」
またか、と言った感じで言うルークに、すみませんと謝るイオン。
「理由はどうあれ、戦争は回避するべきです。モースに邪魔をさせません」
と、ジェイド。どんな理由であろうと多くの人が死ぬと分かっていて、戦争を起こさせるわけにはいかない。戦争を知らない私にはまだ他人事に聞こえた。
「ルークもえらくややこしいことに巻き込まれたな」
頭の後ろを掻きながら言うガイ。遠くに飛ばされて捜しに来れば、今度は戦争回避のための使者になっている。そう思うのも仕方ないだろう。
「ところであなたは?」
気にもせず会話をしていたが、実はまだ名前もルークとの関係も知らない。よくそのまま、会話してたよ。まぁ私は知ってるんだけど。
「そういや、自己紹介がまだだったな。俺はガイ。ファブレ公爵のところでお世話になっている使用人だ」
笑みを浮かべながら名を名乗るガイ。ファミリーネームを名乗らないのは正体がバレてしまうから?