「ティア、体は大丈夫か？」
「ええ……今は落ち着いているわ」



着実に蝕んでいる。わかっていながらも止めることが出来ない。制することも助けることも、今の私では無理だ。



「でも心配ですわね。突然ローレライに体を奪われたんですもの。念の為、お医者様に診てもらった方がいいですわ」



ナタリアの言葉にアニスがベルケンドなら精密検査をしてくれるのではと提案するとルークが神託の盾がいなければいいと不安を口にする。が、ガイが公爵も今はヴァンとは関係を絶ってるだろうという。その件は知事に聞くことにし私たちはベルケンドへ向かうことにした。



「真咲。あなたも検査をしなさい」
「私も、ですか？」



特別何か不調はない。むしろ好調なくらいで。なのにジェイドは検査を受けろと言う。



「ローレライがあなたに何かをしたのは確かです。調べたら何かわかるかもしれません」
「……そうですね」



また何か出なければいいけど。検査することの方が不安になる。あまり良いことがなかったから尚更で。



「もし逃げたり拒否しましたら……わかってますね？」
「……な、なんでしょう？」



クスリと笑うその顔が怖いです。この人のそう言う言葉って色々想像できて怖すぎる。もしかして検査より怖いとか？



「恥ずかしい姿にでもなってもらいましょうか？」



朝までね。と語尾にハートマークでも付きそうなくらいの満面の笑みで言われた。おい、この人私に何する気だ。わかってるけど、けど言い方が怖い。ある意味危険だと判断した私は、



「検査……受けさせて頂きます」



と頭を下げた。




















いつかの彼女の言葉



それを思い出す



『君は死なない』



その意味を知るまで



もう少し