38話 変えてしまうことを恐れずに
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いけません。もう時間がない」
シンクが消えた場所を見つめたまま涙を流すイオン。大変な思い違いを、と何か言い掛けたときジェイドが声を上げる。戦闘とイオンとシンクの正体に時間が掛かりすぎたのだ。
「だが譜陣はシンクに消されてるぜ」
「私が描きます。ただこれほどの規模だと、かなりの集中力がいる。ルーク、ティア。協力して下さい」
ジェイドが音素の塊を生成するからミュウの炎を使いティアの指示に従い譜陣を描き直す。その説明にルークは頷き、始点に立ちミュウを抱き上げる。そしてジェイドが生成した音素の塊をミュウの炎で動かしていく。ティアの指示に従いながら。
「成功よ。ルーク。残された譜の力を上手く追うことができたわ」
無事に譜陣を描き上げることに成功し、ルークは安堵の息を吐く。急いでアルビオールへと向かおうとしたときにルークが呻き声を上げて膝を着く。そしてなぜか私も頭痛に襲われ同じように座り込んでしまった。
『我が声に耳を傾けよ!聞こえるか、私と同じ存在よ。そして千里の力を持つ者よ』
「真咲!?」
「ルーク?大丈夫?癒せないか、試してみるわ」
私にはジェイドが、ルークにはティアが駆け寄る。手を翳し回復の譜術を施そうとするティアの体が宙に舞い光り出す。それと同時に私と、ルークから頭痛が消える。
「痛みが……引いた……」
「……私も」
立ち上がりティアへと体を向ければ彼女は光を纏ったままルークを見つめている。
『ルーク。我が同位体の一人。ようやくおまえと話すことができる』
「ティア?いや……違う……」
ティアの姿をした……ううん、ティアの体を借りた彼が彼女の体を通じて話しかけているんだ。にしても何で、さっき私のことを……千里の力を持つ者って私のことだよね?私から、ルーチェから力を奪った張本人が何で……