38話 変えてしまうことを恐れずに
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「……着いた、のか?」
五日掛けてアクゼリュス崩落地点へと辿り着くと侵入者を知らせる警報が鳴り響いた。私はそれが誰だかわかってる。まだ知らないルークたちはヴァンかと疑うが、今突入を優先し、地核突入後に撃退することにした。そして、譜術障壁を発動させ譜陣の上に乗ったタルタロスはゆっくりと崩落後の穴の中を降りていく。
「さっき一瞬見えたあれは……」
「どうかしましたの?確かに地核に飛び込む直前、何か光ったみたいでしたけれど」
席に着いたまま、外を眺めてぼそりと呟くガイにナタリアが首を傾げる。それが何なのかは今は言えない。
「……ホドでガキの頃に見た覚えがあるんだ。確かあれは……」
「詮索は後です。こちらは準備が終わりました。急いで脱出しましょう」
ずっと操縦席で操作をしていたジェイドが顔を上げる。ただでさえ予定より時間が遅れている。誰も死なせない、余裕を持てると思って行ったものも水の泡となってしまった今では急がなくてはならない。
「あれ……?イエモンさんたちが言ってた譜陣がないよ?」
言われた通りにデッキに出るが、そこには脱出用の譜陣は見あたらなかった。
「ここにあった譜陣は、僕が消してやったよ」
声のする方を見ればそこにはシンクが立っていた。仮面の下から私たちを睨みつけ、殺気を剥き出しにしている。
「侵入者はおまえだったのか……」
「逃がさないよ。ここでお前たちは泥と一緒に沈んだからな。死ね!」
こちらが武器を構えると同時にシンクは突進してくる。身軽で瞬発力に長けている。一瞬にして間合いを詰めてくる。
「まずはアンタからだ。一番邪魔なんだよ!」
「――っ!」
真っ先に標的にされたのは私。飛び蹴りをしてくるシンクを私が上手く避けれるわけがない。だから思いっきり杖を振り抜く。まるでバットを振るように。意表を突かれたシンクは私の杖を足場にして後ろへと飛び退く。