38話 変えてしまうことを恐れずに
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「ところでぇ、気になってたんですけどぉ……この人、真咲じゃないんですよね?」
艦橋へと集まり、シェリダン脱出の時からの疑問を問うアニス。控えめに手を挙げて。
「彼女はルーチェです」
「ルーチェ……ですか?」
疑問に答えたのはイオン。シェリダンのときも彼女の名前を呼んだのは彼だった。髪と目の色を除けば容姿は真咲にそっくりな彼女。似た誰かとも思いそうだが、ルーチェが着ているのは真咲の軍服。
「申し訳ありませんが、機密事項ですので僕からは話せません」
「私の方も私からは話せないね。今はまだ」
目を伏せるイオンに対しルーチェは含みのある言い方をする。
「あんたも真咲と同じ術が使えるんだな」
「いい所に目を付けたね。私は真咲であって真咲でない存在」
それ以上は言えないけどね。と肩を竦める。彼女の言葉の意味がわからず困惑の表情を浮かべるルークたち。イオンとジェイドだけが表情を変えずにいる。
「それはいいですが、真咲は?」
「そんな怖い顔をしなくても返すよ」
少し声音を低くしたジェイドにルーチェは小さく笑みを浮かべる。返す……さらに意味不明な言葉を発する彼女に首を傾げるしかない。
「真咲に体を返すけど彼女に聞いても無駄だよ」
それを始める前にルークたちを見回して言う。
「何も覚えてないからね。何も、ね」
パチンと指を鳴らすと、ルーチェの体が青白い光に包まれる。あまりの眩しさに目を閉じ、次に目を開けるとそこには黒髪の女性の姿。
「真咲っ!?」
糸が切れた人形のように膝から落ちる彼女の体をジェイドが間一髪の所で受け止める。意識を失ってるだけと言う言葉に一同胸を撫で下ろす。