38話 変えてしまうことを恐れずに
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「危ないわ!逃げて!」
「そうはいかない。こんな風になったのは、スピノザが俺たち『い組』を裏切ったからだ」
今度はヘンケンとキャシーの二人がルークたちを庇うように立ちはだかる。年寄りでも障害物になると首を振る。ヴァンやスピノザがどけといっても仲間の失態は仲間である自分たちが償うと引かない。
「……ルーク!時間がありません!」
「兄さんに追いつかれると作戦が失敗するわ!イエモンさんたちの死を無駄にしていいの!?」
ティアの叱咤にルークは拳を握りしめ、三人に謝罪してタルタロスへと走り出す。殿にはジェイドとルーチェ。タルタロスに乗り込むと同時に昇降口を閉める。
「……なんでぇ……?イエモンさんたち……関係ないのに……」
手を貸してくれただけなのに犠牲にしてしまった。その現実に全員が悲痛な面持ちを隠せないでいる。特にナタリアは自国の民を守れなかったと手で顔を覆う。
「……俺が非力だったからだ。くそぉっ!!」
「落ち込んでいる暇はないわ。私たちには地核を静止させるという仕事が残っているのよ」
何も出来なかったと、悔しさを滲ませるルークにティアは淡々とそう言う。彼女の言葉に逆上したルークがティアの胸ぐらを掴む。
「おまえっ!そんな言い方しなくてもっ!」
「ここで泣いて悲しんでいても何も始まらないのよ。大佐は一人で作戦準備をしているわ」
それを忘れないで。ジッとルークを見つめ返すティアの目にうっすら涙が浮かんでいたのをルークは気付かない。それをガイに指摘されるまでは。誰の兄がヘンケンたちを手に掛けたのか、誰が一番泣きたいのか。
「俺……艦橋へいって、ジェイドを手伝ってくるよ」
先にここを去ったティアを追うようにルークもデッキを後にする。それに続くようにガイたちも艦橋へと向かった。