38話 変えてしまうことを恐れずに
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「炎よ!」
彼女が杖を振るえば無数の炎が神託の盾兵を囲む。住民には燃え移ることなく、ただ炎は神託の盾兵の動きを止めた。
「早く行きなよ。真咲はあとから行かせるから」
「ルーチェ!なぜあなたが!?」
一人冷静に淡々と言う彼女―ルーチェにイオンが叫ぶ。イオンが何故、彼女の名前を知っているのかと皆、彼を見る。
「私のことはいいよ。君らは急ぐんだろ?」
すぐに追いつくよ。そう言うと杖を再び振るう。
「彼女のことは彼女自身に任せましょう!」
「時間がもったいないわ!」
混乱するルークたちにジェイドとティアが叫ぶと、ハッとして頷く。ちらっと、ルーチェを一瞥した後、街の北口の方へと走り出す。
「君たちはもう少し私と遊んでもらうよ?」
「あなたも行きなさい!」
「そうじゃ……よくわかんが、あの子らの仲間なんじゃろ!?」
杖を構えるルーチェに疲労を滲ませるタマラとイエモンが声を掛ける。ただイエモンに至っては意識が朦朧としてるのか焦点は合っていない。
「真咲は君らを守りたいと思ってるよ」
「それでも……あなたはあの子たちと行くべきよ」
ルーチェがジッとタマラ見つめ一度目を閉じる。炎は弱まりながらもまだ神託の盾兵を囲っている。あの炎が消えるのも時間の問題。
「あんたのことは…よくわからんが、真咲を……頼んじゃぞ…」
必死に絞り出すよう発せられた声に、眉を顰める。
「わかった……もうすぐ人が来る。それまで……」
そこまで言うとルーチェは杖を一回転させ地面を突く。それと同時にその場から消える。突如起きた現象に住民も神託の盾兵も驚きの声を上げる。そんな中、イエモンとタマラだけが口角を上げた。