38話 変えてしまうことを恐れずに
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「今じゃ!港へ行けぃっ!」
「けど……」
火炎放射器から放たれる炎に圧された神託の盾兵は一歩二歩と下がる。その隙に港へ向かえとイエモンが叫ぶ。躊躇うルークにタルタロスが沈められては、あたしらの仕事が無駄になるとタマラも叫ぶ。
「行かせるか!」
「ジェイド!」
「無理です!味方識別のない一般人が多すぎる」
イエモン、タマラだけでなくシェリダンの住民たちも武器を手に取ったり盾になるように両手を広げ神託の盾兵の前へと立ちはだかる。神託の盾兵は容赦なく彼らに斬り掛かるだろう。が、味方識別をしていない状態で譜術を使えば住民まで巻き込んでしまう。
「きゃあっ!?」
助けに入るためにナタリアが矢を放とうとすれば、近くにいた神託の盾兵が彼女に剣を振るう。間一髪で避け何を凌ぐ。その兵士にこれ以上、攻撃をさせないようにするためかイエモンが兵士にしがみつくが吹き飛ばされてしまう。
「イエモンさんっ!」
「あたしら年寄りのことより、やるべきがあるでしょうっ!」
「さっさと……いかんかあっ!!」
その様子にルークはぐっと奥歯を噛む。表情は苦痛に耐えるために歪んでいた。
「……行きましょう。早く!――真咲っ!?」
街の外へと急ごうとする中、建物の上にいる真咲にも促そうとするとそこに"彼女"はいなかった。
「……だれ、だ?」
「あなたは……」
先程まで真咲のいた場所には、確かにマルクトの軍服を身に纏った女性がいる。
「真咲はどこなの!?」
「でも、あれは真咲の軍服だ」
青い瞳が眼下の彼らを見下ろす。時折吹く風は、彼女の金色の髪を揺らした。状況の見えないルークらは彼女から目を離せなかった。