38話 変えてしまうことを恐れずに
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「……時を紡ぐ者どもよ」
目に入った姿。先頭を歩く彼女。もうすぐ彼女らがやってくる。それと同時にルークたちが外へ出てくる。向こうもだけどこちらも邪魔されるわけには行かない。
「我が声を聞き、我が声に答えよ」
こんな大きな杖をいつものように振れば、遠くからでも気付かれてしまう。出来るだけ抑えて杖を振るう。そしてそこへ――
「リグレット教官!?」
神託の盾兵を従えたリグレットが集会所を取り囲む。ほぼ同時にルークたちも集会所から出てきた。
「スピノザも言っていたが、ベルケンドの研究者どもが逃げ込む先は、シェリダンたという噂は本当だったか」
「そこをどけ」
逃がしたスピノザからの情報でここへとやってきたリグレットたち。にしても本当にいいタイミングだ。
「おまえたちを行かせる訳には行かない。地核を――」
「我らに立ちはだかる者を 強き風吹く彼の地へと 誘わん!」
みんなに、イエモンさんたちに攻撃をさせるわけには行かない。これは私のエゴだ。でも知っているのに助けないなんて私には無理。
「真咲!?」
「我が名は"真咲" 千里の力を持つ者なり――!!」
ほぼ完成したいた術を発動させる。最後に杖を地につく。すると私の周りに浮く魔法陣が一斉にリグレットを取り囲む。彼女が何か言葉を発する前にリグレットは消えた。
「リグレット様!?」
「怯むな!想定内だ!」
数名の兵士が狼狽えるが一人の兵士が叫ぶと、武器を手にした神託の盾兵たちはルークらへと斬り掛かろうとする。
「タマラ!やれいっ!」
「あいよっ!」
集会所の脇から火炎放射器を持ったタマラさんとイエモンさんが現れ、兵士に向かって攻撃する。その様子を私は愕然として見る。リグレットがいない以外、私が知っている光景となんら変わらないから。ただ…やめて!と叫んだ瞬間から私の意識は遠のいた。