37話 過去を許し平和へと
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「陛下に何もされませんでしたか?」
アルビオールに戻るや否やガシッと両肩を掴んだのはジェイドで。その行動より表情の方が怖くて思わず私の方が顔をひきつらせてしまった。だって、怖いくらい満面の笑みなんだもん。背筋が凍るような、そりゃあ綺麗な笑みで。
「は、話をしただけですよ」
実際ジェイドが心配するようなことは何一つないし。寧ろ隠し事が増えたことの方が後ろめたい。隠し事ってわけじゃないけど、ジェイドに相談する前に後ろ盾を作ってる時点で逃げ腰なんだよね。
「本当ですか?」
「私を信用してないんですね」
他の男の人といかがわしいことでもすると疑ってるんだ。そう臭わすように少し意地悪な言い方で問い返す。
「ええ、してません」
「ひどっ!」
きっぱりはっきり断言された。あまりの早さに口調まで砕けちゃったし。しかも笑顔のまんまだし。
「あなたは何度、大丈夫と言って裏切ってきましたか?」
否定が出来ない。自業自得だからなおのこと。日頃の付けという物はこうやって帰ってくるのかと実感してしまった。身を持った体験ほど痛いものはない。
「本当ですってば。近況報告とかしただけです!」
ま、間違ってないもん。ジェイドが珍しくピオニーに上機嫌な態度を取るから私が捕まっただけで、私から何かをした訳じゃないし。
「嘘だと思うなら陛下に聞いて下さい」
ただあのピオニーが素直に話してくれるとは思わないけど。絶対にからかって遊んでくるのは間違いない。私の周りってこんなんばかりなんだね。
「まあいいでしょう」
まだ納得はいかないような表情を浮かべながらも肩から手を離す。押し問答している時間はないってわかってるかは別として。あの陛下の冗談の告白は報告しなくていいよね?本気じゃないんだし、たぶん。