37話 過去を許し平和へと
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「詳しくは言えませんが、この後の外殻大地降下作戦は簡単には実行できません」
まさかヴァンたちに邪魔されるとは思わないだろう。その際に、多大な被害が出ようとも思わないだろう。けど、それを私は言えない。私は預言じゃない。未来は、言えない。
「未然に防ぐには言わなければならない。でも言えない。私の我が儘です」
これだけは絶対に変えることはない。今はユリアの預言は当てにならない。でも私はこの先起こる未来を知っている。だから言わない。
「真咲。おまえの思うようにやれ。俺は止めやしない」
「……陛下」
具体的なことは何も言ってないのに、それなのにそう言ってくれる。顔を合わせて話をしたのは二回ほどだというのにどうしてこんなに信用してくれるんだろう。ジェイドが言ったから?ううん、これがピオニーなんだ。これが賢帝なんだ。適わない。
「ありがとうございます」
この人だからみんな付き従ってくるんだ。
「私のお願いはその時にジェイドさんが怒ると思うんで庇って下さい」
間違いなく怒られる。何度注意されても同じ事を繰り返す。愛想を尽かされるかも知れない。けどこれが霧島真咲と言う人間なんだ。今更、この生き方を変えられない。
「駄目ですか?」
ピオニーの鶴の一声があれば何とかなるかなぁ、と思うのはやっぱり無謀だったかなぁ。絶対に大丈夫だという保証は何一つない。
「ああ、いいぞ」
ビクビクとして返事を待っているとピオニーにはあっさり返した。あまりにあっさりし過ぎて、私がポカンとしてしまった。えーっと、と言葉を詰まらせてしまう。渋られると思っていたからいとも簡単にOKサインが出てしまい寧ろ私がどうしよう。
「……ありがとうございます」
出るのはその一言だけ。一声出ただけでもよしとしておこう。