37話 過去を許し平和へと
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「ひねくれた奴だがよろしく頼むな」
「はい」
私たちのことを知ったからか。私にどれだけのことが出来るかわからない。でも、目に見えないくらいかもしれないけど、少し私の知る彼とはどこか違う。
「俺の話は終わりだ」
悪いな。と片手を挙げて踵を返そうとするピオニーを今度は私が止める。
「私からもいいですか?」
どうせついでだから一つ頼み事をしよう。彼にしか頼めないだろうし。ピオニーという後ろ盾があると実は助かる。
「なんだ?」
私が何を頼むのかと首を傾げる。皇帝陛下に頼み事をしようとしてるんだから不思議がられてもおかしくはないだろうけど。
「その……ですね」
いざとなると言い出しづらい。言わなきゃいけないんだけど、自分で呼び止めたんだから。
「たぶん、私はまた一人で勝手に動くと思うんです。そうするとジェイドさんにもみんなにも迷惑を掛けます」
それがいけないことだとわかっていても止められない。現にこの後もどうにかできないものかと考えを巡らせてるところだし。出来るだけ被害を少なくしたい。未来を知る者の責任だなんて言わない。ただ、私が知っていてそうなるのが嫌なだけ。言わば自己満足だ。
「それでもやりたい。ルークやアニスを泣かせることになるかもしれなくても」
立ち止まれない。全てを言わないくせにと言われてしまうかも知れない。今の私はまるで預言のようだろう。ヴァンは私が知っていることを少しでも恐れているんだろうか。先回りをすることが出来るのは私だけ。実際には私が話さないから後手に回ってるけど。
「それでおまえは何がしたいんだ」
言ってみろ。と笑みを浮かべる。話は聞いてくれるんだ。それだけでもいい。でも、ピオニーなら私の頼みを無碍にはしないでくれる、そう思えてならない。人を否定するような人ではないから。