37話 過去を許し平和へと
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「真咲、おまえなら知ってると思うが、ジェイドは人の死がわからない」
ただ生命機能が停止する。その程度の概念しかない。だから人が死んでも悲しいとは思わない。泣くこと出来ない。だから、大切な恩師である彼女の死に対して生き返らせればいいと思ってしまうほど。子供なら目の前で人が死ねば怖くて仕方ないはずなのに、彼は当たり前のように生き返らせようとした。
「そんなあいつがおまえに出会い、愛するようになった」
もう一年以上も前。月日とは早い。ゲームでは数日にしか感じないのに、実際は一つ年を取っている。そんなに長い月日が経っていたと、改めて実感した。
「今のあいつなら死がわかるはずだ」
おまえという存在が理解させた。失いたくない。失うのが怖い、と思うことが人の死の怖さ、悲しさと理解したんだ。
「私がいたからではありませんよ。たとえ私が存在しなくても、ジェイドさんは理解できましたよ」
ルークやみんなの存在。これだけ長くともに過ごし、互いの中身を理解してきた。掛け替えのない仲間になったから、傷つけば怒るし悲しくなる。死に繋がれば冷静ではいらせないはず。
「だが、今のあいつはおまえを失うのが一番怖いと思ってるぞ」
「そうですか?陛下も大切に思われてるんじゃないですか?」
何とも思ってないのならたとえ皇帝と言えども彼は相手にしないだろう。何だかんだとピオニーもディストも大事な幼なじみなんだ。だから悪態を吐いたり文句を言いつつも話しかけられればちゃんと返すんだ。
「あいつは俺を一切敬わない」
いつか不敬罪で訴えてやる!と鼻息を荒くする。そもそも皇帝が訴えてやるって……普通に罰するでいいんじゃないかってツッコミそうになった。
「それでも大事なんです」
心のない人じゃない。ただルークみたいに表現の仕方を知らないだけ。わからないから、無いと思ってしまうだけ。きっと本人の知らないところでルークに教えられてるんだと私は思う。