37話 過去を許し平和へと
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「それで……ホドは消滅したのか……」
ガイの瞳が震える。ティアも必死に耐えてる。少しだけど、表情が険しい。
「父はこれをキムラスカの仕業として、国内の反戦論をもみ消した」
やるせない。そんな気持ちに支配されてるかもしれない。ピオニーはそんな父親をどんな思いで見てたのか、責任ある立場だからと言い聞かせるのか。国と私情に挟まれてると思うと私は何も言えない。それによって大事な者を失ったのを知ってるから。誰も、責めれない。
「ひどい……被験者の人が可哀相」
「そうですね。被験者は当時11歳の子供だったと記録に残っています」
ガイ、あなたも顔を合わせているかも知れません。そう彼へと顔を向ける。自分に振られガイは俺が?、と目を丸くする。ホドで行われていたからと言って知っているとは限らないのに。その事すら私は知っているから視線を下に落としてしまう。今の顔を見られたくない。悲しみと憎しみの狭間に駆られているのは彼らだけじゃない。全てを知っているから悲しい、でもアクゼリュスの一件を忘れることは出来ない。
「ガルディオス伯爵家に仕える騎士の息子だったそうですよ。確か……フェンデ家でしたか」
このジェイドの言葉にティアとガイが目を見開いた。驚く意味のわからない他の者は顔を見合わせ首を傾げる。
「フェンデ!まさか……ヴァンデスデルカ・ムスト・フェンデ!?」
声を上げたのはティア。異様な様子に皆が息を飲む。
「ティア、知ってるのか?」
「……知ってるも何も、フェンデのとこの息子ならおまえだってしってるだろ」
ティアが一人の名前を口にしたのを聞いてルークが訊ねる。それにガイはインゴベルト陛下に首に剣を突きつけたまま声音を低くし答える。知ってるだろと言われてもピンと来ないのか「え?」と目をパチパチさせる。