37話 過去を許し平和へと
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「剣を向けるなら、こっちのほうかもしれないぞ。ガイラルディア・ガラン」
「……陛下?」
椅子にどっしりと座ったまま、重い口を開いたのはピオニー。セリフこそそのまま。だけど、私がいつもの如くついつい口を出そうとしたの自然と止めてくれた。まだ、みんなには知られたくない。当のガイはキムラスカ側の策略だと思っていたからか口を開いたピオニーに怪訝な面もちを見せる。そしてチラリとジェイドの方へも視線を向ける。その彼は何のリアクションは見せない。
「どうせいずれわかることだ。ホドはキムラスカが消滅させた訳ではない。自滅した――いや、我々が消したのだ」
真っ直ぐしっかりガイを見つめるピオニー。更なる真実はガイだけではなくティアの表情まで変えた。彼女もまた生まれこそはこの魔界でも生を授かったのは兄であるヴァンが生まれたのはホドなのだから。
「……どういうこと!」
ホドの崩落の原因。それはマルクトが消したという事実。約15年前にに起こったその出来事を二人は今知ることになる。
「ホドではフォミクリーの研究が行われていた。そうだなジェイド」
「戦争が始まるということで、ホドで行われていた譜術実験は全て引き上げました。しかしフォミクリーに関しては、時間がなかった」
淡々と告げるジェイドに皆が視線を向ける。この当時、すでに彼はフォミクリーの研究に携わっていたのだろうか。その頃のことは私は知らない。
「前皇帝――俺の父は、ホドごとキムラスカ軍を消滅させること決定をした」
「当時のフォミクリー被験者を装置に繋ぎ、被験者と装置の間で人工的に超振動を起こしたと聞いています」
眉を顰めるピオニーの言葉を引き継ぐようにジェイドが続ける。この衝撃的な事実……ううん、今聞かされている話は全てが驚愕なものなはず。知らなかったことを知るということはきっと辛い。特に、当事者だったガイとティアは心落ち着かないだろう。