37話 過去を許し平和へと
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「ガイ!何をするのです!」
まさかな出来事にナタリアとファブレ公爵が驚愕な表情を浮かべて立ち上がる。
「おまえの母親……?」
剣を突きつけられたことよりガイの言葉に驚くインゴベルト陛下は意味がわからないのか目を丸くする。
「ユージェニー・セシル。あんたが和平の証として、ホドのガルディオス伯爵家に嫁がせた人だ。忘れたとは言わせないぜ」
その時のことを思い出したのか、ガイの表情は更に辛そうになっていく。わかっていたことだけど、やはり自分の目で目の当たりにするとこちらも辛くなる。幼い頃に負った傷は体だけではなく心に負った傷の方が大きい。その原因を忘れてしまうくらい深いものだった。
「……ガイ。復讐の為に来たのなら、私を刺しなさい」
ガルディオス伯爵夫人を手にかけたのはの自分だと口を開いたのはファブレ公爵。更にその理由をマルクト攻略の手引きをしなかったからだと続けた。
「父上!本当に……」
父親の思わぬ告白にただだた驚くしかないルーク。聞きたくなかったかも知れない。でもそれは真実で事実。いずれ知らなくてはならないこと。
「戦争だったのだ。勝つ為なら何でもする……おまえを亡き者にすることで、ルグニカ平野の戦いを発生させたようにな」
宗教自治区であるダアトを抜かせばこのオールドラントは二ヶ国しかない。私の生まれ育った世界のように二百近くもあったらあったで大変だけど、争う相手はそこにしかない。いつの世も全てを手にしたくて支配したくて仕方ないんだ。たとえ実の息子でも利用する。その事実はルークはまだ辛いもの。
「母上はまだいい。何もかもご存じで嫁がれたのだから。だがホドを消滅させてまで、他の者を巻き込む必要があったのか!?」
感情というものはそんな簡単に押さえられない。知っている。その真実を知っているからか、思わず私が声を出して前に出そうになるのをピオニーが小さく手を挙げて止める。