37話 過去を許し平和へと
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「……ではこの書類にお二人の署名を」
ユリアシティの会議室にキムラスカ、マルクト両国の主要人物がテオドーロから書類を受け取りペンを走らせる。ちなみに私はマルクト側に、ジェイドの後ろに控えている。一応、マルクトの軍人だしジェイドの部下だし。さて、ここからだ。
「結構です。それではこれをもって、平和条約の締結といたします」
「……ちょっと待った」
署名された書類を確認したテオドーロが締めの言葉を発すると同時に、別の声が会議室に響いた。その声の方を全員が一斉に振り向く。キムラスカ側のルークの側に立っていたガイが、一歩二歩と歩き出す。
「……ガイ」
これも前へ進むためには必要なこと。真相を知ると言うことは何か犠牲にしなければならない。傷つくことを恐れていては何も見えない。わかっていても難しいこと。
「おい、ガイ!」
「悪いな、ルーク。大事なことなんだ。少し黙ってろ」
急に待ったなど言うガイにルークが呼び止める。けど目的が目の前にあるガイはルークを睨みつけ声音を低くする。たとえルークでも止めることは許さないと。
「同じような取り決めが、ホド戦争の直後にもあったよな。今度は守れるのか」
ガイはホド戦争の被害者。数少ない生き残りの一人。それをわかっているからルークもそれ以上何も言えない。
「ホドの時とは違う。あれは預言による繁栄を、我が国にもたらすため……」
「そんなこの為にホドを消滅させたのか!あそこにはキムラスカ人もいたんだぞ。俺の母親みたいにな」
言い訳にも似たような言葉を口にするインゴベルト陛下。その言葉にガイの表情は怒りに満ち、悲痛な叫びを上げる。そしてその怒りからか、腰の剣を抜いてインゴベルト陛下陛下の首元に突きつける。その瞬間、部屋の中に一気に緊張が走る。