36話 手を取り合う時
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「本来そのような権限がないことはわかっていますが、アスターも立ち会わせてやれませんか?」
「成り行きとはいえ、外殻を降ろすことを最初に認めてくれたのはあのひとだもんな。いいんじゃないか?」
ケセドニア商人ギルドの人間なだけであって国主ではない。セントビナーのように崩落が始まってしまいどうしようもないわけじゃなかった。前もってその可能性を伝えた上で協力してくれたのはアスターだ。大きな騒ぎにならなかったのはアスターの人脈があってのこと。
「なら、まず俺たちはケセドニアに行く。俺たちがアスターと離す間に、ノエルには陛下たちをユリアシティへ運んでもらおう」
「それなら時間が無駄にならないね」
次の行動は決まった。アスターの問題は何もない。その後、は。
「真咲。また心配事でも?」
「またじゃないですよ。心配は尽きません……でも、大丈夫です」
起こることを心配してるんじゃない。全てが大丈夫とわかっていても人の心は、脆いから。
「人の心配ばかりですねぇ」
「性分ですから」
苦笑するジェイドに微笑んで返す。一瞬、面を食らったように目を見開いたけどすぐに、そうですね、と笑い返す。
「もー、真咲も大佐もいちゃいちゃしてないで早く行こうよぅ!」
「い、いちゃいちゃなんてしてないでしょ!」
「あはははは」
先へスタスタと行くアニスが大きな声を出す。その言葉に当然、私の顔は真っ赤になった。隣で笑うジェイドに笑い事じゃないです!と怒鳴る。まだ、言ってないのになんで?
争いは何も生まない
敵対していた者同士が手を取れば
世界は一つになる
私はこの世界に
どんな導きをしてあげられるのだろう…