36話 手を取り合う時
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「真咲、顔色悪いけど大丈夫?」
ライナーはどこだどこだと探していると、アニスが私の顔を覗き込んで言った。それに他のみんなもこちらへと顔を向ける。
「まあ、本当ですわ」
「どっか悪いのか?」
「ルーク。その聞き方は失礼よ」
失礼かは別として、なんか機械の調子が悪いみたいに聞こえるかも。意味はわかるからいいけどね。ティアの指摘に、ごめん!と謝罪の言葉を口にするルークにいいよと笑って返す。
「少し休憩するかい?」
「ううん、それより先を急ごう」
ここで休息は危険だし何よりも急がなくてはならない。私の顔色が悪いというのなら具合が悪い訳じゃない。別の、ことが脳裏に浮かぶから。
「……ディストに連れてかれたのが、こっちだったから……」
あの時のことを思い出せば体は自然と震える。恐怖が体に染み着いてしまってるんだ。ダアトと聞いただけで一気に気分は落ちた。隠すことも出来たけど、きっと納得はしてくれないし気にするだろう。たまには、正直に話しておいた方がいいと思うのは自分を楽にするための自己満足なのかもしれないけど。
「……この間の」
私が何を言いたいのかを察したのか消えそうな声で呟くルーク。みんなも視線を落とし黙り込む。ジェイドですら眼鏡のブリッジに手を置いて顔を隠す。
「…ちょっと、トラウマかなってね」
いい思い出は言えない。死ぬ寸前だったと思うとその場所に長く留まりたいとは思わない。でも今は必要だからと言い聞かせる。
「アルビオールでノエルと一緒に待っててもらえばよかったかな」
「ううん、大丈夫だよ」
気を使ってくれるガイに首を振る。私が無理をすることにみんながいい気をしないことは知ってる。体の不調ならともかく、トラウマは克服するに越したことはないし、ダアトだけ来れないってのも嫌だ。それに――