36話 手を取り合う時
夢小説設定
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「あなたの事に関しては些細なことも見逃さないことにしましたので」
「はははっ……」
何も言い返せない。オールドラントに来てから色々ありすぎて。信用云々の問題じゃないかも。こんな不幸体質だったっけ?不幸とは違うか……罠にかかりやすいとか?
「ある意味引きがいいかも…」
「はい?」
怪我にしても何にしてもこれだけ痛い目に遭うのっておかしい、と思ってしまい声に出してしまえばジェイドに怪訝そうな顔をされた。慌てて何でもないと首と手を振る。一人の世界に入らないようにしないと。
「……やっぱり、人は怖いですよ」
「私にはわからないので、慰めることはできません」
人の死を理解できない。私を含めてここにいる仲間やピオニーやネフリーに何かあればジェイドと言えども動揺すると思うけど、見ず知らずの人間には微塵も同情も罪悪感を感じないだろう。人を傷つけるだけでも引きずってしまう私とは大違い。感情を消して戦うことは出来ない。とは言え慣れることも出来ない悪循環。溜息吐かれても仕方ない。
「あなたのその優しさはこの世界では貴重です。ですが――」
「時には邪魔になりますね」
普通に生きてるならいいのかもしれない。でも今は崩落の危機から世界を守らなくてはいけない。それだけじゃない。今後まだ、戦いは続く。覚悟は決めたはずなのに、な。
「甘いとわかっていますが真咲にはそのままでいて欲しいと思う自分もいます」
今までなら考えられませんでしたけどね。と、微笑む。は、反則です。そんな風に笑うなんて、反則ですよ。自分でわかってるのかな、どんな風に笑ってるのかって。
「おや?顔が赤いですよ」
確信犯でした。はい、そうでしたね。何度も引っかかる私がいけないですよ。でも、そんな風に微笑まれたら照れなわけないじゃない!それが自分の好きな人だったら尚更。未だに両思いなのが信じられないのに、さ。