36話 手を取り合う時
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「今ので最後か?」
「みたいだね」
辺りを見回せば立っているのは私たちだけ。襲ってきた神託の盾兵は全て倒した。立ちはだかるなら仕方ない。
「ディストも馬鹿ですねぇ」
「寧ろ大馬鹿じゃないですか?」
やれやれとまた肩を竦めるジェイドに同意、と言うよりは更に「大」をつける私。ディストが馬鹿なのは今に始まった事じゃないけど、何に対してなのかと首を傾げるみんな。
「こんな風に守りを固めては、ここに何か大切な物があると言っているも同然です」
「意外と単純な所に隠した方がわかりにくいのに」
誰であろうと人を通すなとか、これだけの兵士をわざわざ用意しておくとかわかりやすすぎる。ディストが誰であろうとイオンであろうと通すなって事がわかればもうわかる。ティアがここに飛行譜石が?と問うとあるでしょうね、とジェイドが頷く。あとの問題はその在処。前に来たときでわかってるけど、ここは広い。広い神託の盾本部の中の何処にそれがあるのか、それを探さなければならない。
「どこに隠しているのかしら」
「それはライナーが知っているかもしれません」
ではライナー捜そうと言うことにはなったけど、どちらにしても捜さなければならないのは変わらない。
「真咲」
「はい?」
正直、ここって広すぎてどこにライナーがいたか覚えてない。みんなで順に部屋を回ってライナーを捜していると、ふいに声を掛けられる。人一人捜す時間を掛けてられないから、私に聞こうかなとでも思ったのかな。
「先ほどの戦闘ですが」
ちゃんと見てるなぁ。すぐに集中したから、震えたのなんて一瞬に近いものだったのに。
「……しっかり見てますね」
はぁ、と息を吐く。どれだけ目聡いのだろう。下手なことが本当に出来ない、この人の前では。
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