36話 手を取り合う時
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「導師イオン!」
「唱師ライナーに面会します」
トリトハイムにディストの動向を訊ねると慌ただしくダアトを出て行ったと。詳しいことは付き人であるライナーなら知っているだろうということで神託の盾本部へと行こうとすると神託の盾兵が止める。モースが、という兵士にイオンは少し睨みつけて、ここの最高責任者は誰だと問う。さすれば道を開ける兵士。
「黒いイオン様だ」
「……真咲。それは、ちょっと……」
少し楽しそうに言うと、困惑した顔をするティア。普段は癒し系のイオンが睨みつけて権力を駆使する、たまにそう言うのを見るのは楽しい。と思うのは私だけのようだ。イオン以外はみんな苦笑いを浮かべてるし。
「では行きましょうか」
クスクスと笑うイオンに私とジェイド以外が顔をひきつらせた。みんなの表情がくるくる変わって面白い。とは言えここで止まるわけにもいかない。神託の盾本部へと足を進めれば数十人の神託の盾兵が私たちを囲む。
「下がりなさい!導師イオンの御前ですよ!」
イオンがいるとわかっていて武器を手にしてる。だからアニスの言葉にも首を振る神託の盾兵。
「残念ですが、どなたであろうともこの先へ通してはならぬと、ディスト響士からのご命令です」
そう言って武器を構えた神託の盾兵。けど、肩を揺らして笑うジェイドをたぶん睨んでるのだろう、一斉に彼を見る。
「な……何がおかしい!」
「いえ、失礼。あなたたちを笑ったのではありませんよ」
そう言っても向こうは自分らが笑われたとしか思わない。馬鹿にしおって!と怒声を上げて襲いかかってくる神託の盾兵。戦うしかない。私たちも武器を構え、応戦体制に入る。震える手を無理矢理押さえつけるように、両手でしっかりと杖を握りしめた。