36話 手を取り合う時
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「……なんかいかにもダアトにあるって手紙だな。アホだろ、こいつ」
誓いの場所にあるから来いというディストの手紙。ひたすらダアトにはないと連呼した内容のせいかみんな呆れて何も言えない。挑発してるつもりなんだろうけどて、あれじゃあね。
「大佐、どうします?」
「ほっときましょう。ルークの言う通りです」
飛行譜石はダアトにあるときっぱり答えるジェイドにイオンが口ごもる。
「約束の場所とは、多分ケテルブルクです。放っておけば待ちくたびれて凍りつきますよ」
「哀れな奴……」
しれっと言い放ったジェイドを見てガイが心底哀れんで呟く。そう言う役割なんだから仕方ないかな。アニスの提案で念のためディストが戻ってないかトリトハイムに聞きに行こうということになり礼拝堂へと向かった。
「導師イオン!お捜ししておりましたぞ!」
礼拝堂に入るとトリトハイムはすぐに確認できた。彼もイオンを見るなり大声を上げる。また行方不明になれば慌てもするよね。よく考えればかなりイオンって行動派だよね。
「すみません。ですが所用で、もうしばらく留守にします」
イオンの留守発言にトリトハイムは更に声を荒げる。導師としての勤めはどうするのだと。
「大詠師モースも戻る早々、神託の盾を引き連れてアラミス湧水洞に向かわれるし……」
ぶつぶつとまるで文句を言うように……文句かな。とばっちりが全部彼に飛んでくるのかも。それを見てイオンも申し訳なさそうに目を伏せる。トリトハイムの話になるほど、とジェイドが小さく息を吐く。飛行譜石がなければユリアシティにいくにはユリアロードを使わなければならない。そうすればディストに会いに行かざる得ない。そういう魂胆だ。
「どれだけジェイドさんが好きなんですかね」
「……冗談でも止めて下さい」
ぼそりと呟いた私の言葉に心底嫌そうな表情を浮かべるジェイドだった。