36話 手を取り合う時
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「悪くないですね。では陛下、魔界の街へご足労いただきますよ」
「ケテルブルクに軟禁されてたことを考えりゃ、どこも天国だぜ。行ってやるよ」
ルークの言葉に頷いたジェイドはピオニーへと振り返る。少年時代はケテルブルクで軟禁され、皇帝の地位についてからはグランコクマから出ることもなかったから、外に出ると言うことは嬉しいのだろう。今から待ちきれないという風な笑みを浮かべている。
「こうなると、飛行譜石が必要だな」
「そうですね。飛行譜石はディストが持っています。ただどこにいるのかは、ダアトでトリトハイムに確認しないとわかりません」
いつもながら思う。知ってるという事は残酷な気もする。悪いことだけじゃないけど、その……ポロッと口にしそうになる。誤魔化すように視線を逸らすとジェイドと目が合う。それだけで察しられたのか小さく溜息を吐かれた。はいはい、すみませんね。
「ダアトか……モースも戻ってるんだろ。危険だな」
「くそ!なんだってディストの奴が飛行譜石を持ってんだよ。面倒だな」
不安要素と危険要素。危険と隣り合わせな場所へと行かなければならない。苦い表情を浮かべるガイと声を荒げるルーク。
「興味があるのでしょう。あれは譜業や音機関の偏執狂ですからね。ガイと同じく」
「誰が偏執狂だって?」
これもいつもの如く、余計な一言を。まあ、言いたいことはわかる。口にしないけどルーク達も思ってるんだろうな、シェリダンでのガイのはしゃぎっぷりを見てるんだから。悪いけど否定はできない。
「そうですよ。ガイとディストを一緒にしてはいけませんね、ルーク」
「俺は何も言ってねぇっつーのっ!」
これから危険地帯に行くとは思えないくらいの空気だよね。だから真面目なティアは顔をしかめる。そしてさらにジェイドはそれすらもネタにしてしまうというか。ティアも言うだけ無駄と判断したのか、もういいです。とそっぽを向いた。